世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




予め考えておいた忘れた理由。
怪しまれないように上手く言う練習もしてきたのに、緊張で声が少し震えてしまった。




怪しまれてしまうか、と不安になったが竜二は




「そういう時もあるんだな」




と言って教科書を開いた。
開いたページは、青い付箋が貼ってあったところ。そのページは前回授業でやったところで、綺麗な文字が書き込んである。




…竜二の字。
竜二はよく勉強をしているから、予習も復習もしているのだろう。




すごいな、なんて思いながら教科書をじっと見ていたら「あっぶな~」なんて言いながら教室に戻ってきた倫也。




倫也の手には、缶ジュースが2本。
1本はコーラで、もう1本はサイダー。コーラを手に取って、




「どーぞ、ゴリラ様」




明日葉の机に置いた。
すると、は明日葉机に伏せて寝ていたはずなのに急に起きて。




「もやし倫也あんがとー!!!!」




とお礼を言いながら缶を開けて。
コーラを喉へと流し込んだ。




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