世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
以前の女子会の時に、みんなが考えてくれた『問題がわからないフリして教えてもらう』作戦。
私はどうしてもこの時間にその作戦を実行したい。
3問目を何とか解いたフリをして、今度は最後の4問目。
シャーペンを止めて、うーんと悩んでみる。
ちらりと竜二を見れば、彼はもう解き終わったあとみたいで教科書をじっと見るだけ。
きっと隣のページを読んでいるんだ。
嘘ついてごめんね、と心の中で謝って私は「竜二」と彼の名前を呼ぶ。
すぐにこっちに気づいてくれた竜二は「どうした?」と言ってくれて。
「あ、あの…この、最後の問題よくわからなくて……」
「どこだ?」
“教えて”と言う前に竜二はすぐに反応。
私のノートへと視線を落とした。
「さ、最後の問題なんだけど……」
ノートに書いた問題を指させば、私に教えるためにもともと近かった距離をさらに詰めてくる竜二。
「あぁ、それはな」
すぐに問題の解き方を説明してくれる。