世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ










私が考えた次の作戦。
それは、『さっきのお礼に飲み物奢るよ』作戦。




竜二がいつも買う飲み物はブラックコーヒー。それは知っている。
知っているけど、できれば一緒に飲み物を買いに自販機まで行きたいところ。





もし、竜二が奢られることを断ったら私が1人で飲み物を買いに行って、強引に竜二に押し付けよう。
それは、さっきのお礼なわけだし。





休み時間、さっそく作戦を実行しようと思いお財布をポケットに入れて竜二に声をかけようとしたら…。





「結城さん!!1組の渡邉(わたなべ)くんが結城さんに用があるって~!!!」





教室内に聞こえてきた声。
声がしたほうへと目を向けると、同じクラスの関根さんが私に向かって大きく手を振っていた。





今の声は関根さんの声だろう。
そして、その教室の扉のすぐ近くには知らない男の人が1人。その人が“渡邉くん”という人だろう。





…1回も話したことがないし、顔も見たことがない人。
その人が、私に用?




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