世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
顔が熱くて、それを竜二にも見られまいと下を向いてひたすら走った。
い、今のは…!!!!
今のはどういう意味のあれなの…!?
“行くな”
ってなに!?なんで!?なんであんなことしたの…!?
あんなことされたら期待しちゃうじゃない…!!!
竜二のバカ…!!!!!
自販機の前で立ち止まり、竜二の手を離して息を整える。
…前にも、竜二とここへ来たっけ。あの時は、確か、バレンタインの時だった。
竜二が女の子たちに囲まれていたから、私が嘘をついて連れ出して…。飲み物を奢ってもらったんだっけ。
「竜二は、ブラックコーヒー、よね!?」
返事を聞く前にポケットに入れておいたお財布を出して、お金を自販機に入れる。
ピっ、とブラックコーヒーのボタンを押して取り出し口から取り出してそれを竜二へと手渡した。
やっぱり顔は見れなくて、私はまたくるりとうしろを向いて今度は自分のぶんの紅茶を購入。