世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
今度はズキズキとした胸の痛みが一瞬にして消えて、再びドキドキと胸が高鳴る。
竜二の言葉ひとつで上がったり下がったり。
私はなんて単純なんだろうと自分でも思う。
「本当にすまなかった」
もう一度謝る竜二に、私は笑顔を向けて
「嬉しかったわ。ありがとう、竜二」
と伝えた。
「教室戻ろうか」
それから私は教室へとゆっくり足を進める。
あとから竜二も歩き出して、隣に並んで歩く。
私はどうしても顔の緩みが止められなくて、にこにこしたまま。
だって、すごく嬉しい。
これも、大きな一歩よね!?まだまだ恋は諦めない…!!もっと意識してもらえるように、作戦を考えなくちゃ!!
そして今はまだ勇気はないけど、いつか、この想いを竜二に伝えられたらいいな。
できれば、卒業式までに。
京子side.end