世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
昔のことはよく覚えていないけど、やっぱり恥ずかしい。
そんなことがあったなんて…。
「可愛いです」
詩優はそんな私の写真を見てひたすら褒めてくれる。
そしてアルバムをめくって、次に目に入った写真は小学校の入学式の写真。
私はお母さんの背後から顔を出して、なぜか怖がっているところ。
「花莉は人見知りなところがあるからね。昔は私と冬樹くんにべったりくっついて可愛かったのよ。クラスでうまくやれるか心配だったけどね。
今はどう?高校で花莉は周りの子と仲良くやってる?」
お母さんが心配そうに詩優に聞くと、彼は
「心配しなくても、花莉は友だちもできてみんなで仲良くやってますよ。
つい最近も放課後、クラスメイトと遊んでました」
と答えてくれた。
それを聞いたお母さんはほっとした表情。
確かに、昔の私は友だちができなくて頼れる人はお母さんと冬樹くんの2人だけ。小学校は冬樹くんと同じだったから休み時間によく遊んでもらって、家に帰ればお母さんにべったり。