世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





「恩返しできるように頑張る!!」




頭を撫でられながら、私は詩優の頭へと手を伸ばして。同じように彼の頭を撫でる。




サラサラの綺麗な黒髪。
私よりも髪がサラサラなんじゃないかって思うくらい。




お互いの頭を撫でていたら、お母さんの視線を感じて。
私は慌てて詩優から手を離し、まっすぐ前を向いて座りなおした。





そうだ。
お母さんが見ているんだ。あまりくっつきすぎないように気をつけなきゃ…!!





前を向いたところでお母さんと目が合って、お母さんは「2人にはこれを見てほしくて」とアルバムの下にあったクリアファイルを取り出した。





透明なクリアファイル。
その中に見えたのは、たくさんの写真。





今度は何の写真だろう。
変な写真じゃありませんように、と願いながらお母さんが私と詩優の目の前に置いた1枚の写真、それは……。





幼い頃の私と、同い年くらいの男の子が笑顔で手を繋いでいる写真。




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