世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
写真に写っている男の子は、一瞬冬樹くんかと思ったが明らかに違う男の子。
優しい目、太陽みたいな眩しい笑顔。
顔は幼いけど……
気のせいか、今、私の隣にいる詩優に似ているような…そんな気がした。
「夜瀬くん、ひまわり幼稚園だったでしょ?」
お母さんが詩優に聞いた質問。
私は耳を疑った。だって、“ひまわり幼稚園”というのは、私が通っていた幼稚園だから。
途中で幼稚園を転園してしまったけど、その名前ならしっかり覚えている。
…まさか……まさか!!!!
私は隣にいる詩優へと視線を向けた。
すると、彼は
「…そうです」
と驚きつつも頷く。
「これを見ればよくわかると思うわよ」
お母さんはもう1枚、私たちの前に違う写真を置いた。
それを見てみると…今度は幼い頃の私が小さい男の子に抱きついている写真。
この男の子はさっき写真に写っていた男の子と同じ。
それから男の子左胸についていたチューリップの名札。そこには、なんと
“やぜ しゆう”
とかいてあった。