世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
3人で並んで寝るには少し狭いかもしれないけど、これでいい。
「花莉はすぐにお嫁に行っちゃいそうだから…あと何回一緒に寝られるかわからないわよね」
呟くように言ったお母さん。
その声は少し寂しそうで……そう言われた私もなんだかもっと寂しくなった。
「向こうで進路の話でもしましょうか、花莉」
お母さんは立ち上がって、リビングへと移動。
私もそのあとをついていって、椅子に座るお母さんと向き合うようにして座った。
「花莉は今、自分の進路のことどうやって考えてるの?」
さっそくそう聞かれて、私はドキドキしながら口を開いた。
「しゅ、就職かな、って思ってて…」
「…本当にそれでいいの?大学とか、専門学校とかは?花莉のために貯金はしてるから学費は気にしなくていいのよ」
“大学”
“専門学校”
…少しだけ憧れはあるけど、そもそも学びたいことがない。