世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
*
竜二さんの家はすごく広くてびっくり。
お金持ちなんだと再確認させられた。
お父さんやお母さんがいるのかと変に緊張したが、どうやら誰もいないみたいで…。
今、私たちは2階の部屋を使われてもらっているところ。
「確かここに……」
京子はパソコンを机の上で操作しながら、引き出しを開ける。
それから引き出しの中から取り出したのは、USBメモリ。それをパソコンに接続して、再び素早くキーボードを操作する京子。
「…おい、メガネ」
同じく久我もパソコンのキーボードを素早く操作して、たまにこうして京子を呼ぶ。
「できた?」
「…あぁ」
「じゃあ、あとは雷龍のメンバーの嘘の目撃情報を適当に流しておいて」
「……」
久我はあまり返事はしないし、名前で呼ぶことはないけど、すごく真剣な表情で作業を進める。
京子が任せた仕事はすぐに終わらせるし、久我は優秀なのかも。