世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
その日の夜は、何も信じられず放心状態。
次の日、冬樹くんに電話をかけてみたが繋がらず…。
冬樹くんの家に行こうとしても道がわからず、勘で行こうと思ったがたどり着くことはできなかった。
諦めて、夜遅くに家に帰ると……
玄関で待っていたのはお父さん。気持ち悪くらいの笑顔を私に向けて迎えてくれる。
「おかえり。こんな遅くまでどこに行っていたの?」
「…冬樹くんの家に行こうとしたんだけど、道がわからなくて……」
心配をかけてしまったのかと思い、謝ろうとしたら──────
乾いた音が響いて、私の頬に鋭い痛みが走る。
一瞬何が起こったのかわからなかった。
頬を叩かれた、と理解するのに時間がかかった。
「来なさい」
お父さんに腕を引っ張られて、引きずられるようにリビングに行くと……
今度はお腹に蹴りを入れられた。
何度も、何度も…。
痛い、やめてって言っても、泣いても喚いてもやめてくれなくて。
助けを呼んでも俊は見ているだけ。
私は、暴力を振るわれ続けた。