世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
本当に関根なのか疑った。
ここは学校からかなり距離はあるし、何よりここは病院。
関根がここにいる理由がわからない。
…関根と似ている人物かもしれない。
俺の目の前にいるこの女は白いワンピースを着ているし……。
でも、さっき確かに聞こえたのは“夜瀬くん” “妃芽乃さん”という俺らの名前。
本当に、この女は関根?
脳をフル回転させて考えていたら、
「疑ってるの?夜瀬くんの目の前にいるのは同じクラスの関根 菜々子だよ?
それよりこれを見てほしいなぁ」
そう言って見せられたもの。
それは、チェーンのネックレスになっていて、リングがついている。
それを見た瞬間、関根が持っているものがなんなのかすぐにわかった。
これは、俺が花莉にプレゼントしたおそろいのペアリングだから。
“首輪” “首が絞まって危ないから”
思い出すのはこの言葉。
嫌な予感がした。
走って病室に戻ろうとしたら関根は俺の行く手を阻むように前に立って。
関根が手に持っていたスマホの画面を見せられた。