世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ





スマホの画面に写っているのは、花莉と……スーツを着た男。




その男は花莉の首元に鋭い刃物を向けて、にやりと笑っている。




花莉は力が抜けたようにぐったりして目を閉じて、その男と花莉の隣にはベッドの上で目を瞑る母親の姿。




…これは病室で、現在の映像。




「動かないでね、夜瀬くん。少しでも変な行動したらすぐに妃芽乃さんが死んじゃうから」




そう言ってにこりと笑う関根。




「…てめぇ……花莉に何した」


「ちょっと痛い思いして眠ってもらってるだけだから、ちゃんと生きてるよ。安心して?」







「……関根、花莉はお前の友だちじゃなかったのかよ」





関根は花莉の味方をしてくれていたし、一緒に遊んでいたはず。
それは全部演技だったと思いたくなくて聞いたんだけど





「友だちなわけないじゃん。あんな女」






返ってきた言葉は残酷だった。






花莉は、関根のことを嬉しそうに俺に話していたのに。
関根は花莉の気持ちを踏みにじっていたってわけか。




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