世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「夜瀬くんと榊くんには私を選ばなかった罰としてもっと苦しんでもらわなくちゃいけないの!!
だから妃芽乃さんの決断を待っててね」
……決断…。
本当はこんなことを選びたくなんてないけど……
これしかない。
私が選ぶものは……
「…私が……死ぬから。詩優と冬樹くんは解放してあげてほしい……」
お願いします、と震える声で言った私。
最初から決まっていた。
私にとって詩優も、冬樹くんも大切な人だから。傷ついてほしくない。
2人が傷つくくらいなら、私が……
「花莉!!アホなこと考えんな!!」
「花!!俺たちで何とかするから大丈夫だよ!!」
詩優と冬樹くんが声を出すと、今度は2人に向けられる拳銃。
「やめて…!!!」
必死に止めようとすれば後ろに座る俊が私の髪の毛を引っ張って。
首元にナイフを突きつける。
「花莉を今ここで殺されたくなかったらすぐに黙れ」
俊の声が車内に響いて……
悔しそうに黙り込む詩優と冬樹くん。