世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「本人の希望通り、妃芽乃さんが死ぬ、ってことで決まりでいいよ。
夜瀬くんと榊くんは全てが終わったあとに解放する、って約束するよ。妃芽乃さんが死ぬところは目の前で見せるけどね」
関根さんはそう言ったあとに何かを取り出すと、それをスーツを着た男の1人に渡して。
男が後ろを振り向くとそれを私の膝の上に置いた。
「花莉、お前は今から自殺しに行くんだから、俺が言った通りに遺書をかけ」
わかったか?、と俊に言われてさらに髪の毛を強く引っ張られて…。
「…はい」と震える声で答えれば掴んだ髪の毛を離してもらえて、ナイフも一旦遠ざけられた。
膝の上に置かれたものに目を向けると、それは白い紙とボールペン。
これに遺書を書けということだろう。
それからどこへ向かっているのかわからない車内で、私は俊が言った通りに遺書をかいた。
今までに書いたなかでも1番汚い字。
これが最後に私が残すものになるんだと思ったらなんだか恥ずかしくて、悲しくて……
涙が止まらなかった。