世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




「妃芽乃さんは泳げないから、最後はここがいいと思ってたの。
下は結構深い川だから、苦しんで死んでね」




関根さんは私に笑顔を向けて。
それからすぐに後ろで座らせられている詩優とく冬樹くんに拳銃を向ける。




…もう、本当に、お別れしなくちゃいけないんだ。
昨日までは、全然こんなこと考えてなかったのに。





私に未来はないんだ…。





「花莉!!!絶対飛び込むな!!!!」


「花!!!!やめるんだ!!!!」





詩優と冬樹くんの声が聞こえて、そのすぐあとに耳に届いたのは













───────乾いた音。











2人に目を向けると、腕から血を流して倒れ込む詩優の姿が目に入った。





「詩優…っ!!!!」


「夜瀬っ!!!!!!」





私と冬樹くんが詩優を呼ぶと、再び乾いた音が鳴って……。






足から血を流す冬樹くん。






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