世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
それから思い出すのは……
川に飛び込んで、詩優に助けられたこと。
…そうだ。
詩優……詩優はどこに……
「…し、ゆ……は?」
近くにいる京子と明日葉に聞いてみる。
すると、2人は表情を曇らせて。
…なにか、嫌な予感がした。
「…しゆ……どこ?」
聞くのが怖かったけど、聞いてみると…
「詩優は……まだ、起きてないの」
返ってきた言葉。
…うそだ。
詩優……詩優………っ
私はすぐに重い体を動かして、起き上がる。
酸素マスクをはずしてベッドをおりようとしたところで
「まだ寝てなよ!!!!」
と明日葉に止められる。
でも、私はここで寝てることなんてできなくて
「しゆ…どこにいるの…!?」
と聞いた。
明日葉は悲しそうな表情をしながらも「隣の病室だよ」と答えてくれて、私はすぐに隣の病室に向かった。
何度も倒れそうになる体。
それでも詩優に会いたくて、会いたくて……
足を進めて行くと京子と明日葉が体を支えてくれた。
そして隣の病室へ入ると…。