世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「ひめちゃん!?」
「妃芽…!?」
「花!!!!!」
倫也、竜二さん、冬樹くんの3人の姿が目に入った。
冬樹くんは、頭に包帯を巻いて、手にはギプスをはめていて…。
たくさん怪我はしているけど……無事でよかった。
あとは、詩優……詩優は……
ベッドの前から3人が退くと見えたのは、ベッドの上で詩優が目を瞑っている姿。
さっき聞いた通り、詩優は本当にまだ起きていなかった。
彼の頭には包帯が巻いてあって、顔には絆創膏も貼ってある。
…私を助けたから、こんなに怪我して……?
詩優は…目を覚ますよね……
絶対起きるよね……?
私のそばからいなくなったりしないよね……
目を閉じている彼を見たら不安になってきて、涙がこぼれ落ちる。
「詩優は必ず目を覚ます。だから妃芽は気にせずゆっくりしているといい」
竜二さんはそう言ってくれるけど、私は涙が止まらなかった。
もし、私のせいで詩優が死んじゃったら、って考えるととてつもなく怖かったんだ。