世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「妃芽乃さん、どうしたの?自分からこっちに来て。もしかして殺してほしいとか?」
やって来たのは関根さんの住んでいるマンション。関根さんは一人暮らしみたいだったが、なぜか関根さんと協力関係である俊も部屋にいて。
竜二さんと倫也と一緒に部屋に入れてもらえば、嫌な笑みをうかべた。
「…私に恨みがあれば最初から私のところに来ればよかったのに、なんで詩優と冬樹くん、お母さんまで巻き込むの」
私はぎゅっと強く拳を握ってそう言った。
すると、
「妃芽乃さんが私の大切な人たちを奪ったから、私も奪ってやろうと思っただけだよ」
と返ってきた。
「好きなら……こんなことしないで正々堂々戦えばよかったじゃん。
私ならいつでも戦うし、なにより好きな人って傷つけたくないものでしょ…」
「誰もがそう思うわけじゃないよ。私の場合、妃芽乃さんが死ぬほど憎かったからそう思うこともできなかった」
「関根さんのそれは、ただの逆恨みだよ」