世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ










あれから詩優は、1週間目を覚まさなかった。




彼の家にはまだ連絡を入れていないらしい。
連絡を入れない理由は、詩優と竜二さんが暴走族に入る時に、“お互いに万が一のことがあった時だけ家に連絡を入れる”と約束をしていたからだとか。





万が一、というのは倒れた時や怪我をしたときではなく……


亡くなった時。





でも、詩優は私をおいていなくなったりするわけないよね…。
詩優はずっと私のそばにいてくれるよね。





だから、だからはやく…




「詩優……っ、起きてよ……っ」




彼の病室でこぼれ落ちる涙。
手を握っても動かなくて、不安になるばかり。





早く起きますように、と神様に祈ることしかできなかった。






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