世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




「妃芽、これを」



竜二さんに渡されたのは、ネックレス。
チェーンにはシルバーのリングがついていて、それは私のものよりも大きい。



これは私のものではなく、詩優のペアリングなんだとすぐにわかった。




「詩優が倒れたところに落ちていてな……」




そう言われて、私はすぐに立ち上がって病室を飛び出した。
走って病院を出ようとしたところで、パシっと手を掴まれて止められる。





「私のペアリング、今すぐ探しに行かなくちゃいけないんです…!!」





いろいろありすぎて、今まで忘れてしまっていた。
橋の上で関根さんに投げ捨てられてしまった私のペアリングのこと…。




あれから1週間少したってしまったけど、早く探しに行かなくちゃ……





「1人では行くな。せめて倫也を連れていけ」




竜二さんはそう言って、倫也を呼ぶ。
すると、倫也は康さんと一緒に走ってきてくれて……








康さんの車に乗せてもらって、私はあの橋に連れて行ってもらった。

< 815 / 839 >

この作品をシェア

pagetop