世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
*
映画のようにいろんなシーンを見た。
ミニ花莉が転んで泣いているところだったり、葉月や海斗と花莉と俺の4人で隠れんぼをしているところだったり。
花莉が泣いているシーンは多かったけど、俺が慰めていたから安心。
でも、この時のミニ花莉の涙は俺でも止めることはできなかった。
「わたし…もっとちゆーと一緒にいたいよ……はなれたくない」
涙をぽろぽろと流しながらそう言ったミニ花莉。
これが花莉の転園前の、ひまわり幼稚園最後の日なんだと俺はすぐに理解した。
「…ぜったいまた会えるから。その時、また一緒にあそぼう」
「……っ」
「…泣くなよ。だいじょーぶだから」
「……大きくなったら…わたしを、ちゆーのおよめさんにしてくれる?」
「…おれも、はなりをおよめさんにしたい」
「…ほんと?」
「やくそくする」
「…やくそくっ」