世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
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目を開けると、真っ白な天井が視界に映った。
体を動かそうとすればなぜか全身が痛くて。
すぐに思い出したのは花莉が川に飛び込んで、それを助け出した時のこと。
…花莉。
花莉はどこに……
自分の痛みは気にしていられなくて、俺は無理矢理体を起こした。
すると、
「詩優…!!!起きたのか!!!」
「夜瀬!!!!!」
竜二と榊の声が聞こえてきて。
声のしたほうに目を向けると、竜二と榊が立ち上がって驚いていた。
口を開こうとすれば息苦しくて、ついていた酸素マスクをはずす。
「…花莉、は……?」
2人に聞いてみると、
「花は……」
と途中まで言って黙り込む榊。
一気に不安が込み上げてくる。
花莉に何かあったんじゃないか、って。
いてもたってもいられなくなって、俺はベッドからおりて走り出そうとした
が、竜二は俺の前に立って止めた。