世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
…どうか、川に落ちませんように。
そう思っているが、ギリギリのところにあるため変に緊張して手が震えてしまう。
…大丈夫
大丈夫。
きっと取れる。
そう思いながら指先にリングが触れて、それを指先で私のほうへと少しずつ動かして。
…やっと、それを手に掴むことができた。
「…取れたっ!!」
それは確かに私の手の中にあって、キラキラと輝いている。
ほっとひと安心。
「見つかってよかった…」
「よかったです」
倫也と康さんも安心した表情を浮かべて、私は「ありがとうございます!!」とぺこりと頭を下げた。
それから、どこからか聞こえてくるバイクの音。
その音はだんだん近くなってくる。
止めてある康さんの車の隣に止まった1台のバイク。
そのバイクには2人の人が乗っていて…。
その2人がヘルメットをはずすと見えた顔。
1人は竜二さんで、もう1人は……
─────…詩優。