世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




…気持ち悪い笑顔。
自分でもそう思う。




それを見た詩優は、またまた笑いだした…。




詩優が言ったから頑張って笑ったのに…!!!

私はぷいっとそっぽを向いて怒ったフリ。




「ごめんごめん。花莉はいつも可愛いから」




よしよし、と頭を撫でて誤魔化してくる彼。

詩優がそうやって私で遊ぶんだったらもっと泣いてやる!!




そう思ったけど、不思議ともう涙は止まってこぼれ落ちてこなくて。




何か遊ばれていたような気がしたけど、詩優のおかげで涙は止まっていたみたい。




ありがたいけど……
何か反撃したいものだ。




怒ったフリをしながら頭を巡らせて、そこで思い出したのは……




川に飛び込んで、詩優に助けられた時に一瞬見た、彼の涙。

夢でなければ、あの時本当に詩優は泣いていた……と思う。




私の意識がしっかり戻っていたわけではないからあれは夢という可能性もあるけど。





「詩優が泣いてるところ、私は初めて見たかも」





言うだけいってみた。



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