世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
い、今!?
自分で言ったことだけど、急すぎてびっくりした。
詩優は動かずにじっと私を見つめて待っている。
私は自分を落ちつけるように数回呼吸を繰り返してから、手を広げ……詩優をぎゅっと強く抱きしめた。
「好き」
自然と口から漏れた言葉。
もう、詩優に触れると好きが溢れてくるんだ。
好きよりも、大好き。大好きよりも……
「花莉、あの言葉もう1回聞きたい」
私の腕の中で詩優が口を開く。
“あの言葉”
それですぐにわかったのは……
私が川にに飛び込む前に言った、あれ、だろうか。
「あ、あの言葉…って?」
何となく予想はついていたけど、わからないフリ。
「花莉が川に飛び込む前に言ったあの言葉。ちゃんと聞きたい」
返ってきた言葉はやっぱり私が予想していたもので。
言いたくないわけではないけど、なんだかドキドキして、緊張してくる。