世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「一緒にいて……」
小さな声が後ろから聞こえてきて。
俺はスマホをポケットの中へとしまってから、ペットボトルの麦茶、冷却シート、氷枕を取ってゆっくり歩く。
マスクをしてたままの花莉が後ろから抱きついた状態のまま。
歩きにくいけど、可愛いからいいか。
「わかったから。早く布団に戻ろうな」
「…うん」
素直に返事をして歩いてくれる。
棚からタオル取って花莉を部屋まで連れていって、ベッドに寝かせた。
ぺたりと彼女のおでこに冷却シートを貼ると、ぎゅーっと強く目を瞑る。
その間に氷枕をタオルで包んで、花莉の頭を持ち上げた。枕を取って、タオルで包んだ氷枕を頭の下へ。
ゆっくり目を開けて、俺の袖をくいっと引っ張る。
それから心配そうな瞳で
「どこにも行かないで…」
と言われてしまったから今はここから動きたくなくなる。
倉庫に行かなくちゃいけねぇのに。