道。_君がくれた道しるべ_ ~Blue Berry短編集~

少しめまいが…。


山田 Side

すみれと付き合うようになって、1人で泣くことも減ってった。
たまに発作が起きて、いつ死ぬのか怖くなる時はあったけど支えてくれる人が隣にいるだけで違った。

亮平「っ……………。いっ……」
すみれ「亮平!大丈夫大丈夫。今、先生呼ぶから」
亮平「………っ。ハァハァ……いっ……」
すみれ「ほら、一緒に遊園地行くんでしょ……」

俺を抱きしめ、ずっと励ましてくれる。
俺が良くなるように、誰より寄り添ってくれた。
ただ、俺の体は残念ながら日に日に悪くなってってた。

医師「人工心臓をつけましょう……」
亮平「人工……心臓……」
医師「はい。山田さんの心臓を人工的に補助する機械です。人工心臓を付けたことによって、外出は出来なくなりますが、山田さんの心臓は限界を迎えてます…」
亮平「わかり…ました……」

外出が出来なくなる。人工心臓ってことは、
俺の心臓はほぼ使い物にならないってことだ。

すみれ「どしたの?」
亮平「俺さ………」

人工心臓を取り付けることを、すみれに話した。
まぁ、話さなくてもいずれは分かってしまうことだけど。手術ともなれば、最初に言っておく必要があった。

すみれ「そっかぁ。でも、亮平の心臓は頑張ってんだね。すごいよすごい!だって、産まれてからずっと病気を持ってたのに今まで亮平のことを生かしてくれた。そりゃ、あんなキラキラな亮平が見られる訳だよ。ねぇ、笑って?いつか、私はアイドルの亮平を見に行くから!」
亮平「………。おう笑」

そうだ。治らないってわけじゃない。
心臓移植をして、元気になれば昔の生活に戻れる。
諦める必要なんてないんだ。
今を、精一杯生きよう。
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