道。_君がくれた道しるべ_ ~Blue Berry短編集~

医師「山田さん、移植の順番が回ってきました。明日に手術をします。具合が悪くならないように気を付けてください」
亮平「それって……」
医師「成功すれば、この病気も完治になります。これで、仕事にも戻れますよ」

夢にまで見た瞬間だった。
こんな日が来るなんて、俺はこの病気で死ぬんだ、もう、ここから出れないんだ。
そう思ってた。
それでも、俺にも生きるチャンスが来た。
これなら、すみれとデートだって。
でも、なんでだろう。
なぜか、そこまで喜べない。すみれがいないからかな......。

亮平「明日、手術することになった」
零「え?それって!」
亮平「心臓の提供者がいたんだ。順番が回ってきた」
慧「よかったじゃん!これで、すみれちゃんともデートできるし!」
亮平「………。あぁ、そうだな…」

なぁ、すみれ、早く会いに来てくれよ。
俺、早くすみれに伝えてぇよ。
一緒に喜んでほしい、これでデートできるねって、いつもみたいに笑ってほしい。
すみれがいないと俺......。
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