道。_君がくれた道しるべ_ ~Blue Berry短編集~
山田 Side
話についていけなかった。俺が手術する前、
すみれとは連絡が取れなくなった。あの時、すみれは1人で苦しんで、辛くて、生と死の間をさまよっていた。じゃあ、あの夢は……。
亮平「俺さ、すっげー長い夢見てたんだよ…」
零「うん……」
亮平「すみれと、デートしててさ。行こうなって約束してた遊園地行ってて、すっげぇ楽しくて。でも、楽しすぎて怖かった。こんなにも幸せなことがあるんだって……泣」
あの時、すみれが見せてくれた夢は最後の思い出作りだったんだろう…。
亮平「すみれが最後に言ったんだよな。『ありがとう』って…。それから、俺は目が覚めた…泣」
宏太「すみれちゃんが、亮平に生きる道標をくれたんだな…」
亮平「あぁ……泣」
零「すみれちゃんは、亮平の中で生き続けてるよ。ずっとずっと、それはすみれちゃんが望んでたことだと思う……」
そう言われて、1枚の紙を渡された。
この紙は、臓器提供意思表示カードと一緒にすみれが持っていた紙だったらしい。