道。_君がくれた道しるべ_ ~Blue Berry短編集~

山田 Side

長い夢を見てた気がする。
何を見てたかは、覚えてない。
目を覚ますと、目の前は真っ白な天井…?

零「亮平!亮平!」
亮平「……。や…ばな?」
零「りょーへい……」

駆け寄ってくる矢花。
心配そうに見てくるメンバー。
迷惑かけたよな。

亮平「ごめん。俺は、大丈夫だから」
宏太「最近、映画の撮影とかで忙しかったもんな」
大輝「あんまし、無理すんなよ?笑」
海斗「そうだよ、山ちゃん。ビックリするじゃん」
亮平「ごめんごめん」
マネ「念のため、検査だけする予定だから」
亮平「わかった」

その後、すぐに検査することになって、MRIやら、なんやらの機械に入った。
この時、俺の体に何か異変があるなんて、思ってもなかった。

__「突発性心筋症です」__

検査をした後に伝えられた事実。突発性心筋症。
簡単に言うと心臓病。
もともと持っていたらしいけど、たまたま今日まで1度も発症しなかったらしい。

医師「活動は、休止してもらうのがいいかと…」
亮平「それは!今…、大事な時期なんです…!」
医師「......。ですが、山田さんの心臓はいつ限界を迎えてもおかしくありません」
亮平「……......。それって…」
医師「可能性はゼロではありません。大抵の場合、ペースメーカーなどを埋め込みます。ですが、それを付けてこのまま今の仕事を続けるとなると、いろいろできないことも増えます。そこで、心臓移植。というのが私の提案です」
亮平「心臓…移植…?」
医師「はい。心臓移植は、不慮の事故で臓器は動いている状態でも脳が死んでしまって、目を覚ますことがない人から臓器を提供してもらう事です。もちろん、臓器提供をした方はその後、亡くなられます」
亮平「……......」
医師「考え方は人それぞれです。もう少しお考えの上で、こちらの書類にサインをお願いします。臓器移植は、順番を待つ。という形になっています。早い方がいいかと…」
亮平「わかりました…」

あんまり、話が頭に入ってこないなか、担当医との話は終わった。
理解できたのは、俺は心臓病であり、活動は休止しなければならないこと。
心臓移植が必要であること。
今回生きていたことが奇跡だったことだ。
おれはこれからどうなるのか......。

マネ「なぁ、山田…」
亮平「俺は、大丈夫だから。大丈夫だからさ、Blue Berryを頼むな」
マネ「………。おぅ......」

ここから、俺と病との戦いが始まった。
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