道。_君がくれた道しるべ_ ~Blue Berry短編集~
宏太×冷たい彼女 ⑤
岩本 Side
冷たい彼女だった。
いや、俺が冷たくしてしまったのかもしれない。
......それも違うか。
きっと、お互い様だ。
○○「......ねぇ」
俺の部屋でいつものように雑誌を捲る○○。
その姿を横目にとらえながら、俺は口も開かずに返事をした。
○○「スマホ変えたんだよ、私。気づいた?」
宏太「あー、そうなんだ」
そう言われたらそうかもしれない。
彼女のそばに置かれているスマホが新しいのかどうか、正直俺にはわからなかった。
少し前なら、そんなことにもすぐに気づいていたんだろうか。
○○「理由とか聞かないの?」
宏太「……なんで変えたの?」
○○「迷惑メールがうるさくて。今はもう大丈夫だけど」
⑤