道。_君がくれた道しるべ_ ~Blue Berry短編集~
○○「わっ」
愁「大丈夫?」
○○「うん......でもちょっとセーター汚れちゃった」
見ると、真っ白なニットにコーヒーの染みができている。
愁「すぐ洗ったほうがいいよ。それとも、クリーニング出そうか?」
○○「大丈夫。自分でやるから」
伸ばしかけた手を、やんわりと止められる。
ごめん話してる途中だったよね、
と自分のことより俺のことを優先する彼女。
そういうところが、俺は......。
考えかけて、また首を振る。
○○「そうだよね。しゅうも私も、好きな人いるもんね」
愁「お前だって、俺と2人でいるところ見られたりしたらまずいだろ」
○○のためだと、それらしいことを言うけど。
本当は自分がこれ以上一緒にいるのが苦しいだけだ。
寂しがってくれれば少しは俺にも可能性があったのに、彼女には隙がない。
⑧