道。_君がくれた道しるべ_ ~Blue Berry短編集~

翔太「待って、写真なら消すから......!」
○○「もう消したよ」
翔太「え......」
○○「しょうたくん」
翔太「○○、待って」
○○「今までお世話になりました」

○○はそう言って、頭を下げて出て行ってしまった。

慌ててその後を追いかけたけど、タクシーでも用意していたのか、外に出ても○○は見当たらなかった。
弁解がしたくてスマホを手に取ったところで、俺は自分がしてしまったことの重大さにようやく気がついた。

○○の写真は、消されてなんかいなかった。
その代わり、彼女への連絡先がすべて消されていて。

翔太「○○......」

振り向くことのないその後ろ姿を、俺はただ見つめることしかできなかった。

もう、写真でしか会えない。

彼女が残した最後の優しさは、残酷すぎるものだった__。


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