道。_君がくれた道しるべ_ ~Blue Berry短編集~
慧×献身的な彼女 ⑦
雨宮 Side
献身的な彼女だった。
少なくとも、付き合い始めたころは。
泊まりに来た次の日は、俺よりも早く起きて朝ごはんを作ってくれる○○。
でも最近、朝ご飯を作り終わってから俺が起きるまでの間に、嬉しそうにスマホを眺めるようになった。
どうやら誰かとメッセージを送り合っているらしい。
布団から顔だけを覗かせて、
慧「何してんの?」
と声をかければ、絵に描いたように動揺する彼女。
○○「わ、けいくん、もう起きてたの?」
起き上がって近づけば、○○はさりげなくスマホをポケットに隠す。
慧「ご飯できたなら起こしてくれればいいのに。何してたの?」
○○「べ、別に何もしてないよ」
雰囲気を悪くしたくなくて、笑顔で聞いたつもりだったのに。
⑦