道。_君がくれた道しるべ_ ~Blue Berry短編集~
俺たちのところに例の後輩グループが現れた。
亮平「ねぇ」
山田が、新曲の作詞をしたという人物に声をかける。
「あ、山田くん。お久しぶりです」
亮平「新曲の作詞ってお前が書いたって聞いたんだけど、本当?」
「はい!聞いてくれたんですか?」
屈託のない笑顔で頷くこの人が、俺たちの歌詞を盗作したんだろうか。
亮平「いや、まだなんだけど......なんかお前、すげぇ元気だね」
「ここだけの話なんですけど、俺、最近彼女ができて」
こんな時に惚気話かよ。
こっちは全員失恋してるっていうのに。
そんな思いが頭をよぎった直後、彼は驚くべきことを口にした。
「新曲の歌詞考えてくれたの、本当はその彼女なんです」
__あぁ、そういうことか。偶然なんかじゃ、なかったんだ。