ワケあり男子
「律くん、大丈夫。よく聞こえなかったから…うん」



「マジか…いや、なんかそれもツラい」



辛いの?



どうしよう、律くんを困らせてる…話題を変えなくちゃ!



「ね、ねぇ…マリモちゃんって女の子だったんだね。制服だと男の子に見えたし、てっきりそうなんだと思ってた」



「あー…男で合ってる」



「そうなんだ…え、ええっ!?」



頭の整理がつかない。



ってことはさっきの姿はなに?



しかもあんなにかわいくて、律くんの膝に乗ったりギュッとしてもらったり…って、どういうことなの?



「まぁ、驚くよな」



「う…うん。だけどかわいいしアリだと思う」



「かわいい…か。もうそんな感覚ないな…」



独り言のように呟いた後に律くんは、教科書やノートを机の端に寄せて立ち上がった。


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