ワケあり男子
「放課後、ここで待ってるね。絶対に来てよー」


そう言って渡されたのは、ポケットティッシュ。


それには隣の駅のカラオケ店の広告が印刷されている。


あまりに突然のことで面食らっている間に、河村さんは立ち上がってコートの方へ行ってしまった。


からかわれた?


ティッシュを見つめたまま固まっていると、先生が笛を鳴らし集合の合図がかかった。


体育の授業が終わり、河村さんに話しかけるタイミングを失う。


ここは百合ちゃんに相談しようか。


…ううん。


籾高に対して否定的だったし、如月さんに会うとなると危なっかしいって止められちゃうよ。



もし話したら、行かないっていう選択肢しかない…。












< 15 / 160 >

この作品をシェア

pagetop