ワケあり男子
かああっと顔が熱くなる。


「へー、怖いもの知らずだな。賢いの?バカなの?」


毒づいてくるけど、そのかわいい顔で言われてもちっともダメージを受けない。


「バカなんだと…思う。単純だよね、助けられてまた会いたいって…」



「律に惚れたの?」



ドキッ。



好きとか、まだそこまでじゃない…はず。



だけど胸が高鳴る。



「わかんない…」



「河村が紹介するっつったんだな。あいつ、無責任だからな」



「それは、たまたま…河村さんはなにも悪くないよ?」



「そか。ひとついいこと教えてあげる」



男の子は妖艶に笑うと、私の髪を軽く掴む。



そして耳元に顔を寄せてきた。



「律は渡さないよ、俺のモノだから」


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