ワケあり男子
えっ…。



俺のモノ?



頭が真っ白になってしまった。



その時、エレベーターが開いて中から長身の男の子が現れた。



アッシュグレーのゆるふわ髪に、見覚えのある柔らかな表情。



りっ…律くんだ!!



男の子がぴったりと私にくっついてるから離れようとするけど、体重をかけられていて身動きできない。


顔は女の子みたいだけど、力はやっぱり男の子そのもの。



「マリモ、河村とくっつきすぎ」



マリモ?



しかも、河村さんと間違えられてる!?



色んなハテナが頭の中でぐるぐると巡る。



「律~、待ってた」



私をつきとばし、今度は律くんに抱きついているマリモくん。


ゴロゴロと喉を鳴らして甘える猫のように、律くんに擦り寄っている。



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