ワケあり男子
バサッ。


無造作に、膝の上へファイルが置かれた。


「そこに利用方法が載ってるから」


え…。


見上げるけれど、律くんは目も合わせてくれない。


「雑だなっ。高嶺の松風女子だぞ」


マリモくんはケタケタと笑っている。


それでも律くんはお構いなしといった風。


カウンターに寄りかかり、無表情でスマホを弄っている。


今朝とは全然違う人みたい…。


本当に同じ人なの?


「ありがとうございます…」


ぺこりと頭を下げてファイルを開くと、そこにはびっしりと施設の説明書きがされていた。


これって…社内マニュアルじゃない?


私が読んでもいいのかな。



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