ワケあり男子
「はい、これ。次回からあの機械に通して」


ハッ。


つまらなそうにしているマリモくんの表情を眺めていたら、律くんがやってきて私の膝に利用者証と学生証を置いた。



利用者証はバーコードのついたカードタイプ。



エレベーター横の機械に通して使うみたい。


顔写真は学生証のコピーになっていて…やだなぁ。


この写真、実はあんまり気に入ってないの。


「なんでフリーズ?」



律くんが不思議そうにこっちを見ている。



わあっ、話しかけられた。



「顔写真が…やだなあって」



「ああ、実物はもっといいのにって?」



「ええっ、違います違います」



「気にするのは自分だけ。誰も見てないから」



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