ワケあり男子
「律!なんで助けたんだよ。今度揉め事起こしたら退学だぞ?わかってんだろーな」



退学!?



マリモくんが騒ぎ始めて、聞き慣れない単語に胸騒ぎがする。


律くんと目があったトキメキに浸っているどころじゃない。


「退学って…ごめんなさい…そんなこと知らなくて…私」



オロオロしていると、律くんが困ったように笑う。



「マリモが大げさなだけ。大丈夫だから」


「そんな…」


「律っ。変に恩売って、惚れられてんじゃねーぞ。妬くからな」


マリモくんがぷうっと頬をふくらませる。



唇を尖らせて拗ねる顔がかわいすぎ…。



「拗ねてる?かわいいやつ~」


えっ。


律くんがマリモくんをギュッとして、頭をよしよしと撫でている。



「律~、もう他の女に優しくしたらやだ」



「わかってるよ…」



え…。



ええっ!?

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