ワケあり男子
律くんが…私を!?


知らなかったし、信じられない…。


私のどこがそんなに気になったのかな。


意識すると、余計に目が合わせられない。


「さっきここで会ったときは、全然気づかなかった。電車じゃないとわかんねーみたい」


ヘヘッと表情を緩めて笑う顔を見ていると、今日ここで会った時の律くんとはまるで違うなと思う。


「気になるなんて…私のどこが?」



「そうだなあ、色々あり過ぎて」



そんなにあるの!?



ドキドキする…。



恋…って、こんな風に発展するのかな。



胸が熱くなって、頭もなんだかぼおっとする。


「おいー。なんでまたいるんだよ!!」



きゃあっ!



カラオケの部屋がある方から、マリモくんが走ってやってくる。


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