ワケあり男子
ぶつかるように律くんの背中にタックルして、そのまま抱きついている。


あ…。



「うおっ、マリモ…痛ぇ」



「律!!また呼び戻したのかよ」



「そーじゃねえけど。連絡先知らねえし…」



「まさか律の番号聞きにきた?図々しいやつ~」


律くんの後ろから、マリモくんがチラッと顔を覗かせる。


「そ、そんな…私はただ…」



「この店に、律目当ての女はいらない」



キッパリと言われてしまった。



宣戦布告?



律くんのこと…気になるのは確か。



私のことを知りたいって言ってくれたように、私も律くんのことをもっと知りたい…。


「そんなに噛み付くなよ。びっくりしてる」



律くんがマリモくんの頭を軽く押さえつける。





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