ワケあり男子
一体どうしちゃったの?



律くんって男の子たちにとってそんなに脅威なのかな…。



「今度またこの子の前に現れたら、この右手が使い物にならなくなると思えよ?」



そう言って、ギリギリと腕をねじあげていく。


「ぎゃああっ!もう二度と…はいっ、わかりました!!」



律くんが手を離した瞬間に、男の子は半泣きになりながらへっぴり腰でホームの反対側へと逃げて行った。



「立てる?」



優しい笑顔でしゃがみこんでくる。



律くんが…来てくれた。



すっごく嬉しい…。



「ううっ…」



感激で泣いてしまい膝に顔を埋める。



「ごめん、俺まで怖がらせた?」



心配そうな声が聞こえて、慌てて顔を上げる。



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