ワケあり男子
「そうじゃないの。律くんが来てくれたから…嬉しくて…」


「昨日、また明日っつったよな。約束は守るし」


目を細めながら、涙を拭ってくれる。



なんて贅沢なんだろう、それなのに私った
ら律くんを困らせてる。



泣くのをやめなきゃと思うのに、涙が止まらない。


「ありがとう…っご、ごめん…涙が止まらなくて…」


「うん…怖かったよな」



首に腕を回してきたかと思ったら、軽くぎゅっとされる。


うわあ…。


「もう大丈夫」


ポンポンと背中をたたかれなだめられている気分。


ドキドキする気持ちもあるけれど、安心感の方が圧倒的。



怖かった…、でも律くんが来てくれた。



また、会えたことがすごく嬉しい…。




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