fish
非日常の音が耳にまとわりつき
そちらの方に目線を向ける。
「......うわぁ、。」
古い校舎の3階ベランダに
雨除けにもならない古びれたトタンの屋根の下で、ずぶ濡れになっている人が目に入り思わず声を漏らした。
私のはしばらく彼を見ていたが
彼は全くこっちに気づくことなくまっすぐ前を向いていた。
ずっと見ていたせいか
視力が良すぎるせいか
分からないけど私には分かってしまった。
頭から濡れていたのに
彼は泣いているんだと。