fish
「私なら限界まで演じて見せるよ
皆んなの求める優等生を
人生なんて壮大な演劇でしょ?」
先程まで泣きそうだった彼が
驚きと呆れ両方を組み合わせたような
なんとも言えない表情で私を見る。
コロコロ表情が変わる彼に
思わず笑ってしまいながらも私は話を続け
「それに、狭霧君の両親はクズなんかじゃないよ。
真っ当に狭霧君の教育義務を果たしているし
君の将来まで保証してくれいる。
親切な分類じゃないかな。
仕事内容も利害を徹底的に追求した
ビジネスライク主義と考えれば良いよ。
特殊ではあるけどね。」
そこには感情がないかのように
淡々と客観視した意見を伝えていたら
「皐さんのほうが、俺よりヤクザの才能がありそうだよ、、。」
と、彼は困ったように笑う。
「そうかな、物事は客観視して
流れに流されたら楽じゃない?」