蘭蝶 短編集
はい、っと陣の赤く腫れた頬に冷たいお茶のペットボトルを当てた



最初、その冷たさにびくっと震えたが冷たさが丁度良かったのか素直にペットボトルを受けっとた



黙って陣の座るベンチに腰掛けた。暫くの沈黙の後陣が口を開いた



「……、聞かないのかよ、さっきの」



あのムカつく女の事だろうとすぐわかったが私は…。



『聞かないよ、言いたくない事無理に聞く事なんかしないから安心して』



「……変なヤツ」



ふっとその時私の前で陣が初めて笑った。



『そっちの方がいいよ、笑ってた方が』



笑ったのを見られたのが恥ずかしかったのかそっぽを向いてしまった陣



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